海上渡御(かいじょうとぎょ)

 貴船まつりは、東西櫂伝馬及び東西小早船、神輿船、東西囃子船の計7艘による海上渡御の神事に見られる船祭りであることが大きな特徴です。寛文12年(1678年)の『相州西部西筋真鶴村書上ヶ帳』(五味家文書)によると、当時から真鶴港においては、祭の起こりと言える船中祈祷が行われていた記述があり、その後の元禄期における石材業の隆盛や江戸文化の流入による真鶴の発展に伴い、御座船形式の荘厳な小早船が弘化2年(1845年)に建造されるなど、現在の計7艘による海上渡御の形式が整えられていったと考えられています。
 海上渡御にあたり、東西櫂伝馬が東西小早船、神輿船、東西囃子船を曳航します。花漕ぎともいい、舳先に角樽、棕櫚、五色布の飾りをつけ、神社に近づくとこの2艘の櫂伝馬による競漕が行われます。
 神輿船は、宵宮に海上を神社へ神輿を迎えに行き、神職、鹿島連、氏子総代等を乗せて、御旅所のお仮殿へ奉安し、再び神社へ帰還します。

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